「19世紀ギターによる典雅な響き」バレンタインデーコンサート

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2月14日(日)のバレンタインデーに、福岡で活躍中の橋口武史さんを招いてコンサートを行います。
会場は下関市生涯学習プラザ大練習室で、12時半開演と15時開演の二回公演です。

今回は12時半の部の曲についてです。

このステージでは二人とも19世紀タイプのギターを使いますが、僕が使うのは田中清人さんが1996年に製作したレプリカ、橋口さんはプチジャンというフランスの製作家が1820年頃に作った楽器です。そして演奏曲もほぼその当時の古典期の作品です。

初めにデュオで、イタリアのギタリスト・作曲家のフェルディナンド・カルリの作品を二曲、Op.128の「6つのノクターン」から第4番と第5番です。4番は主題と変奏とフィナーレ、5番はカルリには珍しい2つのギターのオクターブの重なりを多用した重厚な前半部分と軽やかなロンドです。

次のデュオはカルリの同級生で音楽史上最も有名な作曲家であるベートーヴェンの「主題と変奏」です。原曲は若い頃にプラハへの演奏旅行の折に作曲したマンドリンと鍵盤楽器のための曲です。若書きですが、ところどころ後年のベートーヴェンを彷彿とさせるユーモラスなところや深いところが聴こえます。

前半最後は僕のソロで、カルリより少し後輩のイタリアのギタリスト・作曲家のマウロ・ジュリアーニのヘンデルの「調子のよい鍛冶屋」の主題による変奏曲Op.107です。先のベートーヴェンは、「バッハは小川ではなくて大海だ」と言ったとか伝えられていますが実はベートーヴェンはヘンデルにより親近感を持っていたそうです。ジュリアーニは、イタリア生まれですがウィーンで活躍し、ギターだけでなくチェロも上手でベートーヴェンと面識があり、交響曲第7番初演の折にはチェロで参加したそうです。主題のあと、華やかな変奏とフィナーレが続きます。
次はシューベルトの歌曲「涙の賛歌D.711」をハンガリーのギタリスト・作曲家、ヨハン・カスパー・メルツが編曲したものです。ただ、メルツのオリジナル(?)ではなく、大ピアニストのリストがピアノに編曲したものをギター用に直したものと思われます。この曲のメルツ編にはもう一つのバージョンがあり、そちらは音が簡略化されています。

休憩をはさみ後半は橋口さんのソロから始まります。
まさに使用する楽器の時代にパリで活躍したフェルナンド・ソルの作品です。ソルはスペイン生まれですが、ナポレオン戦争の影響で故国を追われ、パリを中心にヨーロッパ各地で活躍しました。古典期のギターの世界ではジュリアーニとともに二大巨頭、双璧、ギター界の栃若、柏鵬、北玉、輪湖です。そのソルの作品からよく知られた「アンダンテ・ラルゴ」Op5-5と、世界中のギタリストに愛奏されソルの代表作であるモーツァルトの歌劇「魔笛」の主題による変奏曲Op.9です。この主題は、「魔笛」の第一幕にある“なんと美しいひびき”という1分くらいの目立たない部分ですが、なんともユーモラスで落ち着く部分です。ソルはこの歌をもとに、主題部分から大胆に改変しています。

最後にデュオで、ソルの「ランクラージュマンOp.34」です。カンタービレ~主題と変奏~ワルツの3つの部分からなります。
「ランクラージュマン」は訳せば“励まし”“激励”といった意味で、本来は1stパートは生徒、2ndパートは先生が弾き、生徒は常にメロディ、先生は常に伴奏・・なんですが、ソルの弟子であったナポレオン・コストがどちらにもメロディが来るように、パートを組み換えています。
今回もこのコスト版で演奏いたします。

入場料は一般¥2500(当日¥3000)、大学生以下¥1000(前売り・当日とも)となっております。密を避けるため、定員を20名様にさせていただいております。また、コロナウィルス感染防止対策にご協力お願いいたします。

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